DFE-100
娘に喰わせてもらってます。 永野鈴

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作品詳細

作品説明

「仲良くしようね」と声をかけながら、私の肩を抱いたオジサンの笑い声。部屋から出て行く母親の背中を見つめながら、私は泣きたい気持ちを堪えて目を閉じた――。小さな頃から母の愛情は常に兄に注がれていた。出来が良かった兄、悪かった私、褒められる兄、叱られる私。それが日常だった。父はそんな私を見かねて、よく散歩に連れ出してくれた。肩車して、お菓子を買ってくれた。優しくて大好きだった父。しかし、父は突然に、私たちの前で姿を消した。それ以来、母は毎日のように父の悪口を私たちに聞かせ続けた。「最低な人だった」「居なくなって正解」「私たちは幸せなんだ」と。そうでなければ許されないと、自分に、私たちに、呪いのように言い聞かせた。やがて生活が困窮してくると、母は「家族のため」だと言って、私に身体を売ることを求めて来た。兄はどうするのだと聞くと、兄は「良いのだと」怒られた。イヤだった、辛かった。知らない大人に身体を舐めまわされて、これのどこが幸せなのだと、なぜ私だけと泣いた。でも弱かった私には、ここしか居場所がないのだと、これが自分の役割なのだと受け入れるしかなかった。「キミってさ、夢とかってないの?」オジサンはそう言いながら私の体を撫でまわす。願うことすら許されないなら、夢なんて見たくない。家族の絆が無垢な心を追い詰めた。哀れな少女の物語。

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